第54回全国学校保健・学校医大会 in 兵庫

特別講演

特別講演
「淡路島のサルから考える寛容性と協力社会」
一般社団法人 淡路ザル観察公苑 理事
大阪大学 人間科学部 講師      山田 一憲 氏
山田 一憲 氏

一般的なニホンザルの社会は優劣関係が大変厳格である。優位個体が劣位個体を一方的に攻撃して、劣位個体が反撃することはほとんどない。食物の優先権は優位個体にあり、劣位個体は優位個体の前では食物に手を出したり、近づいたりすることもできない。食物をめぐる緊張関係は、個体同士の距離を遠ざける。しかし、淡路島に生息するニホンザル集団は、他地域のニホンザル集団と比較して特異的に寛容な社会を形成している。劣位個体が食物を得ることを優位個体が許容するだけでなく、優位個体と劣位個体が協力することで、ひとりでは達成できない課題をクリアすることもできた。寛容な淡路島のニホンザルに注目することで、私たちヒトが寛容で協力的な社会を築く手がかりについて展望を深めたい。

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